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生産管理部部長、三宅敏幸の職人魂をご紹介します。

インタビューの様子

職人魂ストーリー VOL.1

三宅 敏幸  Toshiyuki Miyake

伝えなければならないこと

入社したのは、府内町の本社とは別にここ(西新地の工場)を建てたばかり、という時期でした。建物も今の半分で、営業部があるところだけ。手染めとハンドプリントの設備、それとミシン数台がこぢんまりとあって、従業員は生産と営業とパートを入れても30名弱。事業強化のためちょうどオートプリントの機械も導入した年にあたります。

作っていたのは幟や旗、半纏(法被)が大半。半纏は主に顔料で染色していましたが、発色や風合い、すれなどの問題に対処するため、徐々に反応染料プリントに切り替えていきました。反応染料に変わると何が大変になるかといえば、「洗い」の工程なんですね。アルカリ漬けして、1時間反応させて、1日200枚から300枚ぐらい洗う作業を、みんなで一生懸命していました。

当時会社としていちばん気にしていたのは作業環境。特に製作過程で生じる「臭いをどうにかしよう」といって、いろいろ機械を入れてみたり、設備も広くしたらどうかとか、あれこれ議論しました。その後、萩原に新設したハンドプリント工場の作業場を広く、天井も高くしてもらったのはそういった経緯もありました。昔に比べれば作業環境は格段に良くなっています。会長は「日本でいちばんきれいな染色工場を目指す」と常におっしゃっていますから。

そのころは作業が深夜に及ぶこともたびたびで、苦しくきついと感じることもありましたけど若さもあったし、仕事が嫌と思ったことはありません。集中してこつこつやることが性に合っているんですね。大先輩の技術にも刺激を受けました。今も現場で活躍されている手染めの大ベテランの職人さんは、手書きで新聞に字を書いて、それを型にしていたんです。今では型の字もパソコンで書くことが主流になりましたが、手書きは迫力がまったく違うんです。そんな職人技、本物のプロフェッショナルの仕事にあこがれていました。

当時、現在の100人以上もいる会社の姿はおよそ想像できませんでしたが、時代に対応してデジタル部門が新設され、縫製部門も人が増え、女性も多くなりました。最近では和雑貨のオリジナル商品化など、新しい分野にも取り組み始めたので、将来を見据えて縫製の技術力や対応力も強化しなければならない。染めた生地も縫製されて初めて商品になりますから。会社がどんどん大きくなってくると、ひとつの問題として、各部署や個人個人とのコミュニケーションの取り方が難しくなってきます。いろんな意味でトラブルも発生しやすいかもしれませんが、私が伝えたいのは、そうやってみんなで築き上げた歴史が今日に至っているので、決して簡単にここまできたわけではない、ということ。ミスもいっぱいしましたけど、「みんなでなんとかしようや」という雰囲気がありましたから、会社がどんなに大きくなってもその精神はこれからもずっと大切にしていきたい。

太田旗店は昔から家族的な支え合いが多くあって、それが良さでもあり、だからここで長く続けてこられたのだと思います。また、諸先輩方からは言葉遣いや態度など、人としてのありかたは特に厳しく指導されました。時代は変わっても先輩の教えや企業としてのDNAは若い人にも伝えていかなければならない。古い伝統のある会社ですが、会社は役員が守るものではなく、社員が守るものなので、それをひとりひとりが肝に銘じて日々行動してほしいですね。

理想ですか?みんなで楽しく笑い助け合いながら、この会社で仕事ができるだけで満足です。

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西新地工場の一室にある年代物のTシャツ台。「これは私が入社した当時からあるんですよ。6色の版をセットしてプリントできます」
「昔は何千枚というTシャツも二人交代でこんなふうにひたすらプリントして、ドライヤーで乾かしていました。少量なら今でもこれでやります」

説明写真

みやけ としゆき(生産管理部部長)

大分県臼杵市生まれ。漁師の町に育ち、地元の水産高校を卒業後に入社。就職難の時代、知り合いの紹介で飛び込んだ別世界だったが、「意識としてはそうでもないんです。いつも見ていたあの大漁旗はどうやって作っているんだろう?と興味がありましたから」。今年で入社30年目。生産現場全体を指揮する。「社員としてのキャリアは長い方になりました。仕事について、知り尽くさなければならないですが、知り尽くしたというにはまだまだです」

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